「えっ!?それって同棲じゃないですか!?」

「違いますよ……っ!両親もハルトもいるんですから……っ」

「でも、格好良いですよね、階段を踏み外した彼女を身を呈して守っての負傷だなんて。
一ノ瀬さんの好感度うなぎ登りでしょうね」

「そ、それは困ります……っ!
人気が出すぎるとライバルが増え……」

もう無理ですっ!!と勇菜は手を離して命綱のようなワイヤーに吊るされてゆっくり背中から弾力のある分厚いマットの上に背中から落ちた。

「あー、ユウナちゃんここで力尽きました!
得点は……365点!普通ですねー」

「そんなこと言わないでくださいよー!必死に登ったんですから……って言うかロッククライミングの挑戦中に動揺するようなこと言うからーっ!!」

体力には自信があった勇菜はこの結果に納得できずにくるっとうつ伏せになると悔しさのあまりマットをバシバシと叩く。
そんな勇菜の言動に収録を見に来ている観客も共演者も面白そうに笑っていた。

ゲームバラエティー番組のゲストとして呼ばれたShineはゲームに挑戦する合間にプライベートな話題、勇菜には主に隆矢のことをよく聞かれる。
勇菜がほとんど秘密にすることなく話してしまうからなのだけれど、これは高得点を出されないようにする妨害行為だと勇菜は頬を膨らませた。