「あ、あれユウナちゃんじゃない？」

「本当だ！じゃあ隣にいるのは一ノ瀬君？」

行ってみようか？どうしよう？と二人組の女の子がこちらをチラチラ見ながら話しているのが聞こえてチラッと視線を向けると二人がビクッと反応した。
怖くないよー。と笑顔で手を振ると途端に女の子達は嬉しそうに微笑みながら駆け寄ってきた。

「Shineのユウナちゃんですよねっ！
私大ファンなんです！いつもテレビ見てます！」

「ありがとう、嬉しい」

「一ノ瀬君のこともファンです！
ドラマ見てて、すごく格好良いです！」

「……ありがとう」

勇菜は握手をしながら、隆矢は握手はしていないが目を細めてはにかみながら微笑んでお礼を言うと女の子達はさらに嬉しそうに笑った。

今日は二人のオフが久しぶりに重なったので街をブラブラしながらお互いの近況を話したりお揃いの物を買ったりとのんびりとした時間でデートをしながらたまに声をかけてくるファンの対応をしていた。

「……ファンですって言ってもらうのってまだ慣れないな」

女の子達が去っていってから恥ずかしそうに呟いた隆矢に、そのうち慣れるよ。と笑いながら女の子達と握手をするために離していた手を隆矢の手と絡ませた。