「その様子だと隆矢の独断か。
あの雰囲気でやるな」

「あ、ありがとうございます……?」

朝陽に褒められどう反応したらいいかわからなかったらしい隆矢は疑問系になりながらお礼を言っていた。

「テレビやネットの反応もずっと見てたけど、驚きと祝福の声が多くてスキャンダルなんてどっか飛んでった感じだな」

そう言いながら見せられたパソコンの画面には勇菜と陽人の両親の正体に驚きと納得、仲の良い親子の姿が微笑ましいという声、そして生放送の隆矢の婚約宣言にも言及されていた。

「“生放送で婚約なんてすごい、おめでとう!”
“一年もしないうちにわかれそう。”
感想は極端に分かれるんだね」

「まあ普通そうなるよな。
堀原さん、事務所の社長は何て言ってます?」

「よくやった。と言ってたな。
今事務所では一ノ瀬隆矢との婚約のことへの問い合わせや陽菜や越名勇人との共演のオファーが殺到してるらしい」

「予想通り仕事が増えそうだな」

「知名度上がりますかね?」

私バラエティーでもクイズでも何でもしますよ!と意気込んでいると真未が軽食を運んできた。

「勇菜ちゃんがバラエティーに出たらおもしろそう。
それにしても、よくあの越名さんが勇菜ちゃんの婚約を許したわね」

すごく可愛がってたのに。と笑顔で言われて勇菜と隆矢はその場に固まってしまった。