「そんなことより、問題はこの状態をどうするかじゃないかな?」

「んー……一回ネットに出回っちゃったら消すのは無理だしねぇ」

「犯人探して突き止めること出来るけど?」

「わかりきった犯人探してもなぁ」

「……なんで勇菜はそんなに呑気なの」

拓也と朝陽の言葉に、うーん。と首を捻りながら答えていると隆矢が呆れた眼差しを向けてきた。

「だって、事情を知ってる人からすればスキャンダルじゃないんだもの」

マネージャーと叔父さんとお父さんとそのお友達だよ?と言うと、事情を知らない人ばかりだから炎上してるんだよ?と言われた。

「今一スキャンダルの対象が勇菜ちゃんだと深刻さに欠けるわね……」

「陽菜の時は怯えて大変だったが、親子でこうも違うか……」

真未の苦笑混じりの言葉と堀原の呆れた様子の言葉は聞かないふりをして、勇菜は陽人を見た。

「さて、どうしようかお兄ちゃん。
喧嘩売られたよ」

「売られた喧嘩は買うしかないだろ?」

「私達とお父さんとお母さんの関係もバレちゃうけど、どうかなお父さん」

「問題ない」

「堀原さん、事務所的にはどうですか?」

「差し支えない」

「朝陽君、プロデューサーとしての見解はどうかな?」

「むしろ仕事が莫大に増えていいと思う」

勇菜の問い掛けに次々答えていく面々の顔をぐるっと見渡すと、勇菜はニッと笑った。

「それじゃあ早速明日にでも行動するね!
隆君、助けてくれる?」

「それはもちろん……」

でも何をするの?と話に今一つついていけてないらしい隆矢は目を丸くしていた。
そんな隆矢に勇菜は、明日まで内緒だよ。とウインクをした。