7月25日

終業式の帰り道、
空は晴れていると言うのに、
突然雨が降ってきた。

朝、母さんが1日晴れだと言っていたから傘なんて持っていない。

家に着くまであと30分。

普段は自転車通学をしているが、
あいにく今は修理に出していて、
ここ三日間は徒歩での通学だ。

朝昼夜構わず人気のない通りを、
ただひたすらに歩いて行く。

憂鬱しさのあまり、
「はあ。」と思わず発してしまう。

しかし不幸中の幸い、
僕の通学路には神社がある。

そこで雨宿りをしようと決め、
僕は走り出す。

10分後、
僕はようやく目的地に到着し、
「神天舞神社」と書かれた石造りの標識を足早に通り過ぎ、鳥居を抜け、
やっとのことで軒下にたどり着いた。

ここは、
千年続く町1番の歴史のある神社と言われている。

しかし、奇妙なことにここの神社では、
神主や巫女が目撃されていない。

僕も学校帰り、
毎日神社の前を通過するが、
それらしい人は見たことがない。

ここでこの神社を廃墟だと思う人もいるであろう、しかしそれは違う。

だって、近づく人が誰もいないのに、手入が行き届いてるのはおかしいでしょう?

面白半分で肝試しをし、
長い髪の女の霊を見たと言う噂から、
町では「千年呪いの神社」と呼ばれるここの神社に
近づく人は全くいない。

僕は霊や妖怪といった、
この手のお話が大好きだから、
この噂を耳にしてから毎晩、
ランニングでこの神社の前を通っている。

まだ何も見た事は無いんだけれどね。