「ホームルーム始めるぞ~」
「始めません」「アハハ」
「三島にどんな権限があるんだ…
早く席につけ」
アリサは行動が早い。
ホームルーム中、携帯を操作する素振りを見せたかと思うと、その直後、コウ君もポケットの中から携帯を取り出し、しばしボーッとアリサからのメールを見つめた。
「……。」
私の斜め前の席に座るアリサは、携帯の操作を終えると、机に頬杖を付きながらコウ君を見つめ、
コウ君が携帯を操作し終え、ポケットにしまうと、今度はアリサが携帯を見つめた。
「……。」
多分、アリサより私の方がドキドキしていた
コウ君の、アリサへの返事が怖い。
頼むから断って。お願いだからフラれて。
そんな事を祈っていると、今度は私の携帯が震え、私は恐る恐る携帯に視線を向けた。
「……。」