「おはよ~、コウちゃん」
その彼が、この人。三島光(みしまこう)
「オーッス。こいつ彼女できたんだって」
「マジ?菅原おめでとう」
「俺らも付き合うか、アリサ」
「考えとく」
岡島アリサは高校に入ってから知り合った友達。
「ニカちゃんさんもオハヨー」
「お…おはよ、コウ君」
そして私、月城新佳(つきしろにか)
5月生まれの16才。
大好きなコウ君との会話は、毎日、日記に付けて忘れない様にしている気持ち悪い女。
前に出るのが苦手で、引っ込み思案な性格。
「コウちゃんオハヨー」
「おう、オハヨー」
「アハハ、ウケるー」
「なにが!?」
コウ君は、中学時代から人気者。
ちょっと悪ぶった外見だけど、お人好しで優しいから、いつも人に囲まれている。
誰にでも平等に接する為、よく女の子は誤解する。
「ねえ、ニカ
コウちゃんさあ、私のこと好きなのかな?」
「……。」
こんな風に。
「ア…アハハ、今の?
冗談でしょ。コウ君、中学の時もあんな感じで、よく女子に告白してたし…」
「ふうん…」
「……。」