「じゃぁまた明日!!
 バイバイ奏。」
「おー。また明日な」
俺たちは学校を出た。


なぁ幸一。
さっきの言葉、撤回してくんねぇか?
“僕…音ちゃんのこと…好きになったかもしれない”
嘘だろ?
俺とお前じゃ、俺なんか勝ち目ねぇじゃんか。



「はぁ・・・」
ため息をついた。もう言葉が出てこない。


家に着くと、俺はベットに倒れこんだ。
部屋の明かりも付けずにずっとボーっとしていた。


「奏ーー!!ご飯ーー!!!」
姉貴の声が家に響く。
俺はいつの間にか寝ていた。
1階に下りると、姉貴はテレビを見ながらご飯を食べていた。
小丹波 美都。大学一年。彼氏はいない。
「おっそーい。あんたの分まで食べるわよ?」
「食ってもいいぜ。太ってもいいなら」
「こら!やめなさい!」
母はちょっと怒った声で俺達を叱った。


テレビでは、今流行の音楽特集をやっていた。
俺は自分の音楽しか興味がないからほとんどこーゆーのは見ない。
ちょっとパクリたくなっちゃうから。


「ごちそーさま」
ご飯を食べ終わると、俺はさっさと自分の部屋に戻った。


部屋に置きっぱなしのケータイには、メールが一通来ていた。
「・・・? 誰からだろう」

見てみると、見知らぬアドレスだった。
〔はぁい♪ゎかる??
 音だょ^ω^@
 幸一にメアド聞いちゃった((笑〕
音からだった。
俺はすぐに幸一に電話をした。

rururu....
『もしもし』
「もしもしじゃねーよ!何で音に教えたんだよ!!」
『だって軽音部のメアドは一応知っておきたいからぁって言ってたから…』


そうだよ。俺、何期待してるんだろう。
軽音部のメンバーだから一応知っておきたいんだよ。
そう・・・軽音部のメンバーだから。


「そっか。ならいいんだ。」
『うん。勝手に教えてゴメンね』
「いいって。じゃ、また明日な」
『おやすみ』
「おやすみ」