ざわざわと声が聞こえてきて、お昼を終えてみんな集まってきていることを感じる。
あと、もうちょっと…。
「あの、すみません。」
「っはい。」
「これ、落ちましたよ。」
そう言って持っていたのは、しらいしりこ と子どもの字で書かれた紙だった。
身に覚えがありすぎて、恥ずかしくなりながらその紙を受け取る。
「…しらいし、りこさん」
「はい…、すみません。拾ってくれてありがとうございます。」
「大事なものなんですか?」
まさか会話が続くとは思わず、え?と返してしまう。
「…いや、可愛いなと思って…。小さい頃の字も。それを今持ってる、しらいしりこさんも。」
可愛い……。
急な話についていけず、何を返事すれば良いのかも分からない。
表に大きく自分の名前が書かれた紙をもう一度見る。
……可愛い、……うーん、可愛いのかな。
だって、これは、あの頃の私にしたら、宝物で。
今でも持っているくらい、今の私にとっても、宝物で、お守りみたいなもの。
あの頃の気持ちを思い出せば、可愛いという言葉は、……当てはまるのかもしれない。



