「稜先輩、飛鳥先輩っ!」
駆け寄った私に飛鳥先輩は何故か私の頭を撫でた。
「あのっ、部室が!」
「莉子ちゃん、もう終わるよ。」
「え…?」
にかっと笑って部員たちのもとへ行く稜先輩
先輩との会話じゃない会話を反芻しながら飛鳥先輩を見る。
飛鳥先輩も稜先輩みたいに綺麗な笑顔をしてた。
何…?先輩たち部室が荒らされてて…。
知らないんだろうともう一度報告しようとするけど、今度は背中を押され、飛鳥先輩と歩き出す。
「私、莉子大好きだなー。」
部員たちの四方からの報告に稜先輩は落ち着けと宥めている。
そして、ボロボロになったビブスを手にして、
「やった奴は分かってる。ここに来る前に聞いてたからな。」
その言葉にざわつく部員たち
そんな訳ないと思いながらも各々隣にいるバスケ部員を疑ってしまう。
「おー、集まってるな。」
佐倉先生の声がして、入り口を振り返ればそこには先生と見覚えのある女子生徒たちが何故かいた。
なんだか嫌な予感がして、拳を握りしめる。
「莉子」
「良く頑張った。すぐ終わるからね。」
飛鳥先輩の囁く声の内容は稜先輩と同じものだった。
どくんどくんと低く大きく鳴る心臓
そんな私に飛鳥先輩は優しく微笑んで「大丈夫」と言った。
莉子は良い子。優しくて可愛い。でもね、我慢して色々隠さなくて良いんだよ?



