「…うまくまとまりません。でも私のずるい理由もあります。いっぱりあります。私が下手くそだから。」
桃の中には自分の仕事を割り振ることにたいしての罪悪感だけではなくそのあとのフォローがうまくできないこと。言葉で伝えるのが下手な自分は自分で進めた方が早いと思ってしまう癖があること。お願いしたことが自分のイメージと合わなかったらと不安なこと。

…いろいろな思いが溢れた。

司はそんな桃に
「飲め」
とココアを飲むように伝える。

「言葉にしなくても伝わった。大丈夫。わかってる。そんな桜木のいいところも俺はいっぱい知ってるぞ?下手くそで不器用な桜木も、俺は信じてる。」
ひとくちココアを飲む桃の頭をまた撫でて司は仕事に戻った。