「桜木はひとりで頑張りすぎる。たぶんまわりに遠慮して頼めない性格なんだと思う。でもな、やりがいって頑張らないと得られないだろ?」
「はい。」
「頑張ったあとの達成感も喜びも充実感もあいつらにもあげてほしい。そのためにはもっと責任ある作業を頼め。」
「…はい。」
「桜木だからこそ俺は頼んでる。」
司は桃の顔をのぞきこむ。

「俺が桜木にいろいろ頼めるのは桜木を信じてるからだ。桜木も信じてほしい。」
「はい。」
「話し、聞くぞ。なんだ?」
司は桃が言いたいことを飲み込んだのがわかっていた。