桃は遠慮をしすぎて頼めなかった。自分以外の誰かの負担を増やしてしまうことができなかった。

すると桃の机に司が近づいてきた。

「桜木。ちょっと。」
「はい。」
司の後ろをついていくと自販機の前で手にココアを渡された。
「飲め」
桃はひとくち飲む。

「桜木にとってのチャンスだからこそいうぞ?」
「はい?」
「もっと石川や髙梨、相川に作業をふれ。」
「……。」
司は真剣な顔で話す。