「課長、車出勤じゃないですか。」
「まぁな。たまには電車いいだろ。」
「意味がわかりません。」
「……。」
桃がじーっと司をみると司はくしゃっと笑う。
「ばれてたか。心配でさ。じゃあ月曜日は8時に駅前集合な。」
そう言って司がまた立ち去ろうとするのを桃は再び腕をつかんだ。

「ありがとうございました。助かりました。今日、ゴミ箱で転んだときも。あの時すぐにお礼も言わずすみません。」
「気にすんな。誰だって体が不調なときは助け合わないとな。」
「すっぴんなんです。」
「え?」
桃の言葉に司が耳を近づける。