できすぎる上司♂と不器用すぎる部下♀

二次会の場所につく頃には司はネクタイを締め直してしゃきっと戻っていた。
あっ財布。桃が財布を出そうとすると後部座席からすっと司が財布を桃に渡す。
「こっから払っといて。経費で落とすから。」
そう言うと司は先にタクシーを降りて接待に戻った。

もう、格好よすぎ…。きゅんって…。桃は久しぶりの感覚に自分でも戸惑っていた。

桃は司の財布からタクシー代を払った。領収書を預り外に出ようとしたとき『ゴンッ!』浮かれすぎたのか頭を扉に強打した。
「大丈夫ですか?」
準一の声が聞こえるのと同時に「ははっ。桜木ってけっこう抜けてるよな。ほっとするわ。」という司の声とともに司にぶつけたところを撫でられた。

どきどきが止まらない。