「桃」
優しく司にささやかれて桃は重たいまぶたを開く。朝陽の眩しさにぎゅっと目を閉じると司の大きな手が桃の髪を撫で上げた。

「起きれる?休む?」
「…起きる。起きなきゃ…。」
桃はゆっくりと体を起こした。

「朝ごはんできてるぞ?食べられるか?」
「う~ん…」
「食べないと。顔色悪いぞ?夕べも吐いてたろ?」
「うーん。」
「かわってやりたいよ…本当に。」
司の言葉に桃は微笑んだ。

新居に引っ越してから3ヶ月。桃は妊娠した。つわりが始まり朝と夕方は特にひどい。