痛みに目を覚ますと司の後ろ姿があった。

「ありがとうございました。」

白衣姿の医師に頭を下げている。

自分のことじゃないのに…私のことなのに。

あまりに深々と頭を下げる司の背中がいつもよりも小さく見えて涙が溢れた。

振り向き桃の方を見た司は桃が目覚めていることに気づいた。

「桃。痛いか?」
桃の瞳から涙が流れているのを見て司は手で拭ってくれた。