桃が目を覚ますと心配そうな司が見ていた。ネクタイを緩めて一番上のボタンをはずした司は仕事中の司よりも力が抜けていて無防備だ。

ぼんやりした頭をはっきりさせようと何度かまばたきする。

「大丈夫か?」
司が桃の頭を撫でる。

その温かい手に少しずつ意識がはっきりとしてきた。


桃はゆっくりと起き上がる。