「意味わかんない。って顔だね。
わからないんだったら自分で考えれば?
…俺はもう失礼するから」


扉を開け去って行ってしまった彼を見ながら考えるけど、わからない。

だって、みんな私の大切ない友達で、利用なんかされてない。



…そうだよ。あの人の言うことなんて気にしなければいいんだ。


風が吹き荒れ、バケツをひっくり返したような雨が降っている。

これ以上ここにいたら風邪ひいちゃう。


もう戻ろう。




びしょ濡れのまま教室に戻ると

「あ!姫!」

いつものようにサナとユカが私の所に来た。



「姫びしょ濡れじゃん」

「本当だ~!ユカ、タオル貸してあげなよ!」


「え~このタオルお気に入りだし嫌だよ。
そんなこと言うならサナが貸してあげればいいでしょ?」

「サナ持ってないも~ん」




目の前で繰り広げられる二人の会話を聞きながら、バックからタオルを取り出す。


濡れた髪や服を拭きながら、頭の中ではさっきの人の言葉がリピートされる。


…気にすることなんてない。



二人は私の友達だもん。