少し前を歩く龍を見つめる。

金髪に染められた髪が太陽の光に当てられキラキラと輝いている。

高校2年生にしては高めの身長に、捲ったシャツの袖から見える程よい筋肉がついた腕。


…かっこいいなあ。



毎朝龍と登校するのが私の楽しみなんです。

学校に着くと、わらわらと私の周りに人が集まってくる。



「姫ちゃんおはよ!」
「相変わらず今日もかわいいね」

でも、声をかけてくる人はほとんど男子で…

「…お、はよ」

なんとか返してみるけれど、慣れないなあ。



というか、いつの間にか龍がいなくなってる!


…ただでさえクラス違うから会えないのに。


少し気分が落ちたまま教室に行き席へ着くと

「姫!おはよう!」
「姫ちゃんおはよ~」

ナナとサキが挨拶をしてきた。

「二人ともおはよう!」

この二人とは今年友達になったばかり。
でも明るくて元気でいい子なんだ。




「あっ、姫 口紅かえた?」

「え?わかるの?」

「わかるわかる!それ何処の~?」



凄いな…。

前のとあまり変わらないのに気付くなんて。

買った場所を教えようと口を開いたとき、丁度鐘が鳴った。



「あ、鳴っちゃったね。また後で教えて!」


そう言って二人は席に戻っていった。