玄関を飛び出して太陽の光を全身で受け止める。

うん、今日も頑張ろっと。


キュッと気持ちを引き締め、なんとなく隣の家の二階の窓を見上げる。




私の幼馴染が住んでるその家は、私の家よりもずっとキラキラと輝いて見えた。

それは私の好きな人が住んでる、という理由からなのかは…わからないけれど。






「俺の部屋がそんなに気になりますか、翼ちゃん」





急に後ろからかけられた声に、内心とても驚きながらも平静を装い後ろを向く。



「そんなんじゃないし。
ていうかちゃん付けきもいから」



思ってもない言葉が口からぽんぽん飛び出すのはいつものこと。

紘の前だと、どうも素直になれない。



「相変わらず冷たいね~」

「うるさい」

「はいはい、ほら行くんだろ?置いてくぞ」




ゆるくゆるく歩き出す紘の後ろについていく。