それから家に帰ってからも雑誌でメイクのことを勉強したり、他にもファッションのことなんかも載ってたりして、世の中の女の子は沢山頑張ってるんだと思ったし、私も頑張ろうと思った。
…明日、少しだけメイクしていこうかな。
何だか凄く、ワクワクする。
次の日、いつもより随分早く起きて薄くメイクをした。
ゆっくり時間をかけて丁寧にやったおかげで、割と上手く出来たと思う。
…する前とあまり変わらないような気もするけど。
やっぱり沙羅がやってくれたみたいにはいかないんだな。
何事も一番の近道は遠回り、か。
支度をし終えて、外に出るとそこにはいつものように紘がいた。
「おっ、今日は早いな」
私を見て意地悪そうに笑ってくる紘を見て、顔が熱くなるのを感じた。
「私だって早起きできるし」
ふいっと紘からわざとらしく顔を逸らしそう言った後にとても後悔した。
…あぁ、また可愛げのないことを。
本当にこの性格をどうにかしなくちゃ。
素直になりたいのに、どうして一番素直にならなくちゃいけない人の前で素直になれないんだ。

