ユアンさんに可愛いって言われたせいで、
変にドキドキしながら
ホームルームが終わった。


「ひまり、あたしトイレ行ってくるから、
ここで待ってて?」

「うん、わかったよ。」


トイレに行ったさーちゃんを
自分の席に座り待つことにした。

私の席は窓側の一番後ろ。

隣がいなくて寂しいって最初は思ってたけど、
後ろの席からしか見えない皆の姿や
窓側からしか見えない外の様子。

太陽の光が暖かくて、
風に運ばれてやってくる葉っぱの香りが
いい匂い。

そのおかげで自分の席をだんだん好きになった。

でも明日の朝からは一人席ではなく、
ユアンさんという新しいクラスメイトと
それを共有する。

ちょっとチャラい人なのかなって
不安はあるけど、
不思議と全部まとめて好きになれそうな気がした。

「……。」


心地いい風が教室へ入り込んで、
その風に身を任せて窓辺によりかかると、
自然とまぶたが落ちる。

すごく、いい気分だなぁ…。