寂しがり屋の月兎

「へ……うん」

「なら大丈夫でしょ」

破顔する兎田につられて望も笑う。

その後、頼んだ料理を食べ終えて店を出た。

会計のときに微妙に揉めたのだが、「お願い」と言いつつ上目遣いをされて、望が折れた。

奢ってもらったことに引け目を感じている望に、兎田は笑う。

ほんの少し黒い笑みなのだが、望は気づかない。

「美味しかったね」

「う……うん。ありがとうございます……」

わざとそんなことを言うと、恐縮する望が可愛い。