寂しがり屋の月兎

「……ほんとによかったのかな……」

小さな呟きを兎田はしっかり聞き取ったらしい。

「大丈夫でしょ。有明さんと三日月、一緒みたいだし」

「ううん、そういう意味じゃなくて……」

静かな喫茶店に二人はいる。

注文した品を待ちながら、望は困った顔をする。

「合流したら有明さんが怖いかなあって思って……」

「…………」

兎田は笑顔のまま固まった。

しばらく目を泳がせてから望を見つめる。

「もし怖いことになったら、望ちゃんもフォローしてくれる?」