寂しがり屋の月兎

人でも殺しそうな目で兎田を睨む有明、意地かなにかのように唇で弧を描き続ける兎田、縋るように三日月を見つめる望。

場の収拾をつけざるを得ないポジションに立たされて、三日月はため息をついた。

「朔、お前なにしたの」

「三日月、質問おかしくない?」

「お前がなにかやらかしたくらいしか、こんな状況を説明できん」

「失敬だな」

やれやれと兎田は首を振る。

「彼女に訊いて」

そう言って指さしたのは有明だ。

有明はしばし黙ったままだったが、ふん、と鼻を鳴らして喋り始める。