チャイムがなる直前に、申し訳なさそうな顔をしていた三日月と別れ、そして放課後、兎田がベンチで待っていた。
大木の下で兎田はなぜか、口を尖らせている。
「望ちゃん、三日月と二人でお昼ごはん食べたって?」
「え……はい」
「ずるい」
ずるいとは。
不貞腐れながら兎田は、少し離れたところに立っていた望の手を掴んで引き寄せる。
途端に鳴り始める心臓を必死で抑え込む望は、兎田に真剣に見つめられて息が止まりそうになる。
「映画、一緒に行かない?」
ねだるような口調だった。
大木の下で兎田はなぜか、口を尖らせている。
「望ちゃん、三日月と二人でお昼ごはん食べたって?」
「え……はい」
「ずるい」
ずるいとは。
不貞腐れながら兎田は、少し離れたところに立っていた望の手を掴んで引き寄せる。
途端に鳴り始める心臓を必死で抑え込む望は、兎田に真剣に見つめられて息が止まりそうになる。
「映画、一緒に行かない?」
ねだるような口調だった。


