寂しがり屋の月兎

「ところで、今日の放課後、多分あいつ返事聞きに行くと思うぜ」

「そ……そうですよね」

なんの返事かは言わずもがな、映画の誘いのことである。

昨日の放課後は、兎田が塾ということもあり、延期されていたのだ。

「俺が感じる玉川さんの性格的に、決めるのは難しいかもしれんが、まあ、がんばれ」

「うう……はい」

とやかく言わない、という宣言通り、三日月は口出しをしないつもりらしかった。

その後は他愛ない話で時間が潰れていったが、昼休みが終わる直前に、兎田に訊きたかったことを思い出したので、代わりに三日月に訊いてみることにした。