寂しがり屋の月兎

弁当箱を取り出そうと袋に手をかけると、とんとん、と肩を叩かれた。

びくりとして顔を上げると、そこには三日月がいた。

「昼ごはん、一緒にいい? 朔はいないんだけど」

「は……はい、もちろん」

驚きつつも頷くと、ちょいちょいと手招きされる。

望は察して、素直に席をたった。

昨日兎田と辿った屋上前までの道を、三日月と並んで歩く。

あまり注目もされず、これが普通なんだよなあ、としみじみ思った。