寂しがり屋の月兎

翌日、若干警戒して──もとい意識して、望は昼休みを迎えた。

ちなみに、クラスメイトは今までより若干遠巻きに望を見ていた。

その視線は好奇だったり、嫉妬だったり、怪訝なものだったりした。

昼休みになるとそれはいっそう増して、望は体を縮こめながら弁当箱を机の上に乗せる。

ちらりと時計を見る。

昨日兎田が突然やってきた時間だった。

教室の近辺のざわめきは、普段と変わらない。

兎田は来ていないようだった。

ふうっと望は息をつき、それから慌てた。

今のため息は、安堵ではなく落胆だったような気がしたからだった。

なにをおこがましいことを、と自分を戒める。