「ありがとう。兎田くん」

美貌の少年を見つめて、望はそう言っていた。

兎田は数秒だけ目を見開いていたが、すぐに満面の笑みに変わる。

「よかった。採用?」

「もちろん、採用。私、自分ではこれって名前が思い浮かばないので、とても助かる」

「じゃあさ」

兎田の笑顔に、なにやらいたずらっぽいものが混じったような気が、した。

「これからは俺にも望ちゃんの漫画制作の手伝いさせてくれる?」

「てつ……えっ!?」