寂しがり屋の月兎

ねだるような瞳で見つめ続けられるので、とうとう望は諦めた。

なにかを言わねばならない。

「……えっと……、まだ名前も決まっていなくて」

苦しまぎれの台詞に兎田は一度瞬きをした。

「じゃあ一緒に決めようよ」

「へっ?」

「いや?」

「いやでは……」

「じゃあ決めよー」

とろけるように兎田は笑う。

「そのためにも、どんな人が出てくるのか見せて」

「そっ……」

引きかけていた頬の熱がよみがえる。

自分のイラストを人に見せたことはあまりない。