寂しがり屋の月兎

また二人きりに戻った望と兎田だが、彼はもう迫ってはこなかった。

代わりのように望に質問をする。

「ねえ、望ちゃんが描いてる漫画って、どんな話なの?」

「なっ……」

望は赤面して絶句した。

自分の創作物を他人に語るなど、恥ずかしすぎる。

兎田はひたと望を見つめ続ける。

ますます赤くなる頬を、自分では制御できない。

上手く躱す言葉を思いつかない。