寂しがり屋の月兎

「よく分からないとは」

と言ったのは兎田で、若干不満そうな顔をしている。

気がする。

「朔の! 友だち……!」

三日月は三日月で、驚愕に拍車がかかったようだった。

「三日月はさ、だからなんでここにいるの?」

兎田は横槍を入れる。

「いやさ、本校舎から特別棟まで、中庭突っ切る方が早いんだわ」

「雑だなあ」

「うるせ」

ふん、と鼻を鳴らして、三日月は立ち去った。

今度詳しい話を聞かせてくれ、と言葉を残して。