「ほんっと、あいつ嫌いだわ……!」

愛らしい唇から、そんなことをさっきからずっと垂れ流している。

三日月はもはや慣れていて、半笑いで彼女の話を聞いている。

ファストフード店のカウンター、隣に座る有明は、両手でぐっとハンバーガーを握りしめた。

中身が出る。出ている。ケチャップが大胆にはみ出している。

うんうん、と気のない相槌を打ちながら、三日月は自分のハンバーガーにかぶりついた。

やはり温かいうちに食べなくては。

「聞いてんの?」

「もちろんですとも」

レスポンスは素早く。三日月の処世術である。