寂しがり屋の月兎

「本当……だよ」

今さら照れがやってきて、望は目を逸らした。

頬が赤らんでいる。

兎田がそっと頬に手を添えた。

望は恥ずかしいけれど、その手がいやじゃない。

手はゆっくりと望の後頭部に移動し、反対の手で望の腰を抱き寄せた。

兎田の胸に頭を預けながら、望は戸惑いがちに彼の背中に手を回した。

兎田が抱きしめる力が強くなり、望の鼓動も高鳴る。