寂しがり屋の月兎

思わず頬に手を伸ばしていた。

触れた頬は滑らかで温い。

「私、兎田くんとは対等な関係でいたい」

対等、という言葉が、いつぞやも二人の間を流れた記憶がある。

「引け目とか負い目とか、思わないでほしいの」

「……そっか」

少し目を瞬いてから、兎田は笑った。

切なげで嬉しげで、見ていた望の胸が小さく跳ねた。

「聞いてほしいことがあるんだけど」

「なに?」