寂しがり屋の月兎

あれからどのくらい時間が経っただろう。

望は時計を持っておらず、この部屋にもない。

有明を待たせていることが気がかりになってきた。

とりあえず窓を開けてみたのだが、お祭り騒ぎの喧騒が遠いことがわかっただけだった。

自分の鼓動が耳にうるさい。

落ち着け、と目を覆う。

ずっと閉じ込められたままとはならない。

文化祭が終われば誰かが来るし、その前に有明が異変に気づくだろう。

理性は結論を弾き出すが、感情を立て直せない。