寂しがり屋の月兎

兎田がなにか言う前に、足立が彼女に手を伸ばした。

なにをするのかと思いきや、制服のポケットに手を突っ込む。

「!?」

彼女が振り払う前に引き抜いた手には、スマホと鍵が握られていた。

「……! 待って、それ……!」

そのスマホカバーに見覚えがある。

望のものだ。

「ご所望のものはこれかな」

足立は兎田にスマホと、鍵を手渡す。

鍵には『教材室』と書かれたタグがついていた。