寂しがり屋の月兎

しかし兎田が黙ってついていくので、それに従った。

三日月は渋い顔で順番待ちの客に頭を下げており、どこまでいっても苦労人である。

彼女の先導で迷路を行くと、ものの数分で出口に着いた。

「おつかれ……えっ、なに……?」

出口でも係の人間が立っており、客ではないであろう一行を見て困惑した顔になる。

髪を巻いたその女は、兎田を見つけてうっとりと目を細めた。

「兎田くん……どうかしたの?」

「ちょっと失礼」