寂しがり屋の月兎

騒がしさの向こうから有明の名前が呼ばれた。

「有明さんじゃん、なにしてんの?」

三日月だった。

ぱっと勢いよく顔を上げる。

こいつならなにか知っているかもしれない。

「ちょっと」

「え?」

有無を言わさず腕を引っ張る。

三日月の都合など知ったことか、望のほうが大事だ。

「ねえ、望をどこかで見なかった?」

「いや、見てないけど。あ、そういえば朝、今日は有明さんと回るって言ってたな」