寂しがり屋の月兎

彼女は再び望の腕を掴んだ。

先程より強い力で、望は眉を歪める。

足を踏ん張って抵抗するも虚しく、引きずられる。

どん、と押しやられたのは、普段から使われていない教材室だ。

足元がふらつき倒れる。その拍子にワンピースからスマホが滑り落ちた。

「兎田くんは、私のものなの……。兎田くんの近くに私以外の女がいるなんて、間違ってるよね……」

はっ、はっ、と望の呼吸は荒くなっていた。

この人は、なにかおかしい。

「そうだよね……。だから、これは正しいことなの……」

彼女は望のスマホをひょいと取り上げた。