寂しがり屋の月兎

望は気が重い。

服に着られている、と思う。

あんまり可愛い衣装は似合わない。

周囲の人々の視線が気まずい。

似合わないのはわかっているから、なるべく見ないでくれ、と言えるものなら言いたい。

自分を励ましながら仕事をし、ようやく休憩時間になった。

ほっとしながら廊下に出ると、そこに兎田がいた。

「えっ……な、なぜ」

「いや、うん。望ちゃんを見たかったから」

「……私がいないときにしてって言ったのに……」