寂しがり屋の月兎

うう、と望は頭を抱える。

察しのいい三日月は多分、望の苦悩をわかっている。

けれど彼にはどうしようもないので、目で励ましを送っていた。

「だめ?」

兎田が身を乗り出して顔を覗き込んでくる。

ガラスの瞳に望が映る。

ううう。

断れなかった。

「……いいよ……」

「わーやった。ふふ、楽しみだねえ」

あと数週間先の話なのに、兎田は目をきらきらさせている。

望はうっすら頬を染めながら、小さく頷くのだった。