寂しがり屋の月兎

どう誤魔化そうか模索していると、まあいいや、と兎田が話題を変えた。

「ところで望ちゃん、文化祭当日の休憩時間、暇?」

「えと……、初日なら」

「じゃあ俺と回ろ」

小首を傾げてにっこり言われた。

う、と望は返す言葉に詰まる。

とても断りにくい雰囲気である。

本音を言うなら、一緒に回ったら楽しいだろうと思う。

でも、兎田と二人でいると、目立つ。間違いなく。

正直目立ちたくない、というのも本音である。