寂しがり屋の月兎

続く言葉は素直な感想だった。

「かっこよかったよ」

兎田が握る望の手に強い力がこもった。

「ほんと?」

「う……ん」

やけに視線が真剣で胸がざわめいた。

「ふふ」

兎田は笑う。この男は、かなりよく笑う。

今はとろけるような笑みを浮かべている。

「望ちゃんは可愛かったよ」

「見てたの……?」

「見てた」

見られたくなかった。

運動神経が悪いのである。