寂しがり屋の月兎

「玉川さんって……」

意味深な間を開けて、彼女は言った。

「兎田くんと付き合ってるの?」

「なっ……!?」

予想だにしなかったことを言われて、望の肩がびくりと跳ねた。

まさか、という言葉が口をついて零れ落ちる。

「そんなわけないです……!」

「そうなの? でも今日、一緒に登校してたんでしょ?」

「たまたま……! 駅で会って……!」

「ふうん?」