太陽の下では蜂蜜色の髪が、今はいつもより濃い茶だった。

憂いを帯びた銀の月。それもまたいいが、と想像する。

兎田に一番似合うのは──。

電車の音が近づいてきた。

遠かったライトがたちまち近くなる。

「ああ、来た」

そう言って兎田は立ち上がり、望も後を追う。

目の前で停車した電車に乗り込む兎田を、望は近くで見ていた。

なんだか、名残惜しい。