寂しがり屋の月兎

「うん。とても、綺麗だった」

兎田が誘ってくれたおかげだ。兎田が見せてくれた美しい景色。

「兎田くんのおかげ。ありがとう」

微笑んで言うと、兎田は優しげに目を細めた。

「どういたしまして。……そろそろ、帰ろうか」

「うん」

花火も終わっていい時間になっている。

望は半分残っているりんご飴を舐めながら歩いた。