寂しがり屋の月兎

絢爛な笑みにきらきらはいっそう増して、なんだか望は眩しくて胸を押さえる。

「えっと……、ごめん、待たせた……?」

「いや。待ってないよ」

ってなんだこの会話は。

自分から言ったのだが望は違和感に待ったをかける。

ぱらぱらと頭の中でめくられるのは、少女漫画のワンシーンだ。

恥じらう乙女と笑いかける男の図……。

ぶんぶんと頭を振ってそれを追いやる。